マリリン・モンローと子供の悲劇

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16歳だった私、ファッション雑誌を見ていたら、とびきり明るい写真が目に飛び込んできました。

明るい茶色の、ウェーブのかかったロングヘア、真っ白な肌に紅いルージュ、なんの悲しみも知らないといったような笑顔がまぶしく、すらりと伸びた足にショートパンツ姿が、強い日差しに打ち勝って輝いていました。

誰?ノーマ・ジーン?

のちのマリリン・モンローでした。

マリリン・モンローと言えば、スカートがまくれ上がる写真が有名で、幼い私によい印象はなかったので、この笑顔の少女を見たとき、俄然、彼女に興味を持ち、本を読み漁りました。

なんの悲しみも知らなさそうな少女は、父親を知らず、母親は精神病院といった背景をもっていました。

彼女はその後、紆余曲折を経て、ハリウッドスターになっていくわけで、その面では成功者です。

しかし、私生活はと言えば、3度の離婚、精神薬漬け……幸せの長く続かない人であったと思います。

人間というのは、さまざまな過程を経て自立した大人になります。

しかし、その過程を踏めなかった人間は、いつまでたってもその過程を探し続けることになってしまいます。

いつかどこかで、それを手にいれようとします。子供の時にできなかったこと与えられなかったものを、一生探し続ける羽目に陥るのです。

男の人は彼女にファンタジーを感じるでしょう。

自分が守ってやれると思うでしょう。

でも、彼女が欲しいのは無償の愛であって、マリリン・モンローへの愛ではなかったと思います。

無償の愛なんて、他人からは受けることは叶いません。

保護者のいない子供は、常に、搾取に怯えて生きます。

男の子は労働を、女の子はその性を、搾取されるのです。

それが愛の代わりに彼らに与えられた生きる糧です。

彼女の死は、いろいろ言われていますが、事故死であったと思います。

睡眠薬の飲みすぎ。

私も経験があるのですが、薬を飲んでも寝付けず、しかし朦朧としているためにまた薬を飲んでしまうことがあるのです。

彼女に希死観念のあったことが、余計に多量の薬剤投与をもたらしたのだろうと思っています。

しばらく前に、彼女の遺体写真が公開されました。

私は泣きました。

なにも死んでからまで搾取せずともいいだろうに。

彼女のことが痛ましくてなりませんでした。

私にとってマリリン・モンローという女性は、思い出すと、心が涙でいっぱいになる、人です。

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