桜への愛

50代 スキンダイビング 旅 ガーデニング メイク 躁鬱病

桜が大好きです。

日本人なら、それはそうですよね。

桜には、4種類ある、と聞き知っています。

彼岸桜・大島桜・山桜・染井吉野。

中でも、私が好きなのは、山桜です。関東ではあまり植えられていませんが、それでもたまに、気の利いた造園家の仕事でしょうか、楓と共に植えられているのを見ることもできます。

山桜の脇に楓があると、共に風に揺れて混じり合い、花がホログラフィのように楓の中から見え隠れする様子は、日本人の美意識の高さを思い知るひと時です。

山桜は枝もほっそりとしていてするりと伸び上がる姿も美しい。

可憐で、しかし、誇り高さを感じさせる花です。

大島桜はこれ、狂ったかのようにこれでもかこれでもかと花を付けます。大木になると壮観です。

私がもと住んでいた所には小松川千本桜、という桜の名所がありますが、ここは比較的この大島桜を多く植えています。

それにしても、これほどの花を咲かせる、というのは強靭な生命力のためなのでしょうか。見ているとこちらまで栄養分にされそうな気持がします。

彼岸桜、日本で名木・巨木と言われる桜のほとんどはこの彼岸桜の仲間です。枝垂桜もこの彼岸桜の仲間です。

しばらく前に、宮崎の山の中に、今まで知られていなかった彼岸桜の巨木が発見され、話題になりました。どのくらいだったか記憶にないのですが、おそらく日本で現在知られている限りでは最も大きな桜と言われています。

発見者はどんな気持ちで、この桜を見上げたことでしょうね。

さて、最も有名で、最も親しまれているのが、染井吉野です。

江戸の昔、現在の豊島区の園芸家が売り出したものと聞いています。

染井町だったから染井、それじゃ味気ないんで本場吉野山から吉野をつけて染井吉野。

彼岸桜の葉より先に花を出す性質と、大島桜の多量に花を付ける性質を持ち合わせ作られた桜です。

桜好きの人は、この桜を嫌う傾向にあるようです。

下品だ、外道だ、というのがその主な理由のようですが、花になんの罪があるでしょうか。

私はこの桜をみると切なくなります。

染井吉野は、長生きはしないが丈夫で育ちが早い。しかも花は壮観ですから、あっという間に日本中に広がりました。

しかし……咲けばちやほやされる、けれど丈夫だからたいして大事にもされない、 駄目になっても育ちが早いから、控えを植え替えればいい、 まるで、昔の遊女のようだなと、思ってしまうんです。

そんな染井吉野は下品だなどど言われながら、精一杯、咲きます。

上ばかりでなく足元を見てください。幹の至る所から花を出し、春を精一杯生きるのです。

染井吉野のこのけなげさが、悲しく、私の心を締め付けます。

日本の春を上空から見ると、広大な山域にたくさんの山桜が自生しているのをみることができます。

日本は桜の国なのだなと、思います。

そしていつか、山の中でひっそりと咲く、桜に出会いたいものです。

私の庭の枝垂桜も観てやってくださいね。

コメント

  1. asamoyosi より:

    「しき嶋のやまとごゝろを人とはゞ朝日にゝほふ山ざくら花」
    私も山桜が大好きで庭にも植えて毎年春に花を楽しんでいます。

タイトルとURLをコピーしました